2010年12月31日金曜日

2010年 総括

・完登課題
 マントライザー 7b
 インベーダXxXX 7b
 スモーXxXX 7a
 ダニパラ 6c+
 オバケの森6c+(かわぞー設定ライン。)
 ぬりかべ 6c

・触っただけのルート
 わっぜ・むぜ・じごんす 5.13a
 ミスターオタル 5.13a
 エスケープ・フロム・フリーダム 5.12d
 アースクエイク12c
  奥立ボンバー 5.12c
 天安門広場 5.12b/c

今年の完登対象はボルダー課題のみ。
ルートは諸般の事情もあり、昨年のように同一エリアに通いRPを目指すという形ではなく、
あちこちのエリアのルートをいろいろ触るのみに留まった。
ただまあ、ボルダリングでは相変わらず完登を目指して通い詰めていたので、基本的な
スタイルは昨年同様だ。

今年のフリークライミングはクロイダー7bに取り憑かれた1年だった。(笑)
クロイダーに関して特筆出来る事はなんと言ってもムーブをすべて自分で探り、分析、解
決した事だろう。(本来それがクライミングの楽しみであるのだけど、周囲にクライマーが
居るとどうしても意見を求めてしまったり、あーでもない、こーでもないとなってしまうのは
ご承知のところです。まあ、それはそれで楽しいのですが。(笑))
年末の現時点ではまだ完登に至っていない。
来年、早々には完登したいところ。
ルートもいろいろ触った。
12+~13-。
どれもさすがにおいそれとRP出来るものではなかった。
ただ、どれもルート独特の多彩なムーブで、クライミング力向上にはもちろん有意義だった
と思う。
たらればだけど、その中でも後少しでRP出来そうだったのは奥立ボンバー 5.12c。
わっぜ・むぜ・じごんす 5.13aも通えばなんとかなりそうだ。
これらも来年にはRPしたいところだ。

・クラック
フェイスがメインの今のところは何かのついでに少し練習といった程度。
いずれは本腰を入れて取り組みたい。
今年は石山緑地、アヨロ、函館山南壁の各ルートをお触りした。
ナチュプロで初めて普通にフォールした事が印象的。^^;

・沢登り
 琴似発寒川
 漁岳 漁川本流
 オロエン川
 風不死岳楓沢
 黒岳白水川
 白老川流域

今年は沢登りや尾根歩きへも何本か行った。
これは多分にフリークライミングに集中していた昨年や一昨年に比べ、もっと、広義の意
味で山や自然と関わりたいという嗜好の変化があったからだ。
嗜好の変化の理由にはいろいろあるけど、本来の目的(クライミングを始めたきっかけは
沢をより安全に登るためのトレーニング的位置づけだった。)に戻って来たという意味で、
こうなって来る事も必然だったのだと思う。
今後の方向性としてはより大きな壁を登りたい。
そのためにはクラックを登るために必要な技術(登攀、支点セット)もマスターしたいし、ア
イスクライミングをして、高低差の大きな氷も登ってみたい。
ただ、いよいよ自分の限界に達したかなと感じるまではフリークライミングも全力で行いた
いので、まだまだ、フリーに費やす時間も多いだろう。

最後に今年自分にとって最も大きな出来事。
愛犬のぼんたが他界したという事だ。
愛犬の話は本ブログの性質とはちょっと離れるけど、自分の中で大きな存在である事(山
やクライミング)に関して記しているという意味ではぼんたの事に触れる事も必然かなと。
僕は過去に3度犬を飼っていた事がある。
最初の一匹は子供の頃。
家の引越しの事情で知人の家にもらわれて行った。
もらわれて行った先で死んでしまった事を知った時、いとこと泣きながら電話した事を覚え
ている。
2匹目は今から20年弱前に他界。
その時も当然、筆舌に尽くしがたいほど悲しかった。
そして、今年初夏。
生涯、家族から愛情を注がれ続けた家でぼんたは死んだ。
病院ではなく、仔犬の頃から育った自分の家で与えられた寿命を終えられた事は
ぼんたにとっても幸せな事だったと思う。
今でも時々、夢に出てくるぼんた。
あえて、「またね。」と最後に話しかけた言葉。
僕自身が寿命を終えた後にまた会えるといいなと思い、つぶやいた言葉だった。


・総括
今年はフリークライミングに加え、山へもよく登った一年だった。
それは多分に嗜好の変化のみではなく、それ(クライミングや山)を行う交友関係の変化
による事も大きかった。
そして、あえて書き記して置きたい事がある。
こういった場に書く事には抵抗があるのだけど、一応、真摯な姿勢を旨とする本ブログの
性質上、そして、事実を承知の上でお付き合いしてくれている山仲間、クライマー仲間の
信頼に応える上で、僕の人間的信頼を損なっても、あえて書き記したいと思う。
山やクライミングを行う交友関係の変化。
実は自分原因により人間関係をこじれさせた事にもきっかけがある。
(リアル過ぎるので、詳細は割愛させて下さい・・・。。)
ざっくり言えば、僕の人間的な歪さ、無責任さで信頼してくれた人を裏切った。
それが原因でパートナーを必要とするクライミング(ルート)にも支障を来したという事だ。
それにより、新たな交友関係を求めた結果、ボルダリングや沢などに傾倒する結果となっ
た。
概ね、そういう経緯だったと思う。
ただ、ありがたい事はそれらの事実を承知の上で、僕と行動を共にしてくれるクライマー、
山仲間の方たちにも恵まれたという事だ。(もちろん、面識の浅い人、全てに打ち明けてい
る訳ではないけど・・・。)
関係がこじれた相手と共通の友人であり、かつて一緒にクライミングをした仲間の中にも
事実を承知の上で再び僕と行動を共にしてくれると言ってくれたクライマーも居る。
そういった方たちの厚意を再び裏切る事が無いよう肝に命じて、今後は山や岩へ登りたい。

と、上記のような経緯もあり、今年はフリークライミングに加え、山へもよく登ったけど、い
ずれにせよ行く行くは、より困難な沢、より長大な壁、氷を登るクライミングをしたいという
考えがあり、それらの下地作りという意味では今年のクライミングにも大きな意義はあった
と思う。


今年もおかげさまで、良い山登り、良いクライミングが出来ました。
お付き合いしてくれた皆さんのご厚意に感謝です。
ではではみなさん、良いお年と良い登りを。

2010年11月27日土曜日

アヨロ海岸 2010.11.27

クロイダー7b完登トライ。
今年の春以来、久しぶりに触るので、相対的に自分がどれほど強くなっているか知る事が
出来る物差しとしてとても楽しみだった。
所感としてはムーブが体に入るとはすごいもので、トライしてみた当初は実際、春よりもム
ーブがこなせなかった。 
つまり、かつての今より最大値が低いはずの自分はムーブが精態形化される事で、今よ
りスムーズにムーブを起こせていたと言える事に驚いた。
(その論拠として、ジムでは実際、自分自身の最大値向上を確信している。)
その後、段々、ムーブが体に入り、以前の感覚が戻って来るとスムーズにムーブが起こ
せるようになって来る。
今回はすでに消耗が激しく完登は望むべくもなかったけど、次回に期待して良いだろう。
その他に自分の能力向上を知る物差しとしての顕著な成果は上部に立ち込んでから終了
点に至るまでのムーブだ。
春にはスタンス運びにもちゃもちゃしていた部分がスムーズに出来た。
これは下部のムーブがこなせても上部で落ちる可能性のある懸案だったので、これはこれ
で良い傾向だ。
次回もなるべく間隔を空けずにクロイダーにトライしたいところ。

奥の浜、無名クラック。
写真のクラックなのだけど、これも前回より到達高度が上がった。(以前にも当ブログに載
せた。)
下部をステミングでずり上がり、フィストで体を引き上げる。
マントルを返せそうだったけど、なかなか悪いムーブで、ボルダーとしてならスポッターが
欲しいところ。。
(マントル返し部分にはちょっと秘密があるけど、オンサイトトライしたい人のために(居れば
の話だけど。。(笑))伏せときます。)
或いはナチュプロを使いたいところだけど、あの高さでマントルを返せる事が物理的に可能
ならボルダー課題として登ると良い?
これも登れたらすっきりして良いな。

2010年11月20日土曜日

函館山南壁 2010.11.20/21

初めて訪れた道南の岩場、函館山南壁。
事前に僕が伝え聞いていた情報によると。
・あまり登られていない。
・ナチュプロを多用するルートが多い。
・トポを見ると10台~11-がほとんど。
といった内容から、正直、ハイキング気分で出かけたのだけど、現地で実際に登り出し、
印象は一変する。

*南壁所感
・まず、まったく普通に地元のクライマーが週末楽しんでいるルートが十数本あり、支点
 ボルトも終了点もちゃんと整備されている。
・ナチュプロを用いて登るルートも「支点がナチュプロで内容は簡単なフェイス」などという
 ものではなく、「クラックがあまり登れない僕にとっては極めて奮闘的なクラックルートで
 ある。」だった。
・壁の傾斜は垂壁からやや寝ているスラブがほとんど。
 こういう傾斜でランナウトしてフォールするのは余計怖い。
・支点ボルト間隔は概して最小限。
  ハングドックしてA0でトップアウトなどという安易な事は許さず、「ほれほれ、怖くないか
  ら、突っ込んでおいで。(笑)」という感じ。(笑)
  なんと当日は南壁黎明期にルート開拓されたクライマーの方もおられ、「ボルト間隔遠く
  て、ホントはもう少し増やしたいのだけどね。」と穏やかに話されていた。
  その話ぶりからは自分達が開拓整備した岩場を我が子のように思い、遊びに来るクラ
  イマー達をより安全に楽しく登らせてあげたいという気持ちがとても伝わって来た。
  なんのなんのフリークライミングの思想は「ボルトは仕方なく打つもの。」
  あなた達、先人のクライミングこそ受け継ぐべきスタイルだと思います。^^)

といった、これらの事から僕の南壁への印象はがらりと変わった。
×最初の印象 
 あまり整備されておらず、ボルトは信用出来ない。
 よって、プロテクションはナチュプロでとる、易しめのフェイスルートが多々ある。
      ↓
○2日間を終えての印象
 とても親切な地元クライマーさん達が週末にはクライミングを楽しんでいて、ボルトや終
  了点もちゃんと整備されている。
 ボルト間隔は最小限で、メンタル面のコントロールが重要な性質のルートが多い。
 奮闘的なクラックルート(クラック初心者の僕にとって相対的に。)がいくつかあり、ナチ
  ュプロのセットをマスターして、改めてちゃんとRPしたいとい確固たる意欲を持った。

 
で、2日間の内容はというと当然初めての岩場なので、全てのルートがオンサイトトライ。
とは言え、ハイキング気分は抜けず、終始日和って終わる。
唯一、明確な意思を持ってフラッシュを試みた、アトミックドロップ 5.11bも上部スラブ部分
で大苦戦、、
もう一つ、特筆すべきルートはフルマラソン 5.10a。
このルートも例によって支点ボルトは最小限なのだけど、僕は結局、トップロープのみで登
った。
結果として、オンサイトトライを試みたT山さんがとても価値あるクライミングをしていた。
これはもう、初見での登りとその登りを見た後とでは、そのクライミングの価値はまったく変
わって来る。
T山さんもオンサイトトライだったので、当然、ルートの詳細は分からない。
どこでどうランナウトして、そのランナウトした後のクリップホールドで体勢姿勢は安定する
のか、あるいはそこで体が消耗していて、クリップ出来ずにフォールする可能性は?
等々、初見のルートでは未知なる事が多々ある。
こういった場合、何が怖いって、このように情報がまだ無い事だ。
もちろん、それらを楽しんだり、恐怖をコントロールするのがクライミングへの取り組み方の
一つなので、僕はそれを放棄した事になる。(ええ、日和りました。。。)
仮にT山さんの登りを見た後に僕が登ったとしても、「ああ、あそこでランナウトして怖いん
だな。」「でもT山さんは安定してクリップ出来ていたから、おそらく大丈夫だな。」などといっ
た情報をすでに知っている分、僕の心は若干、穏やかな心持ちになる。
それでもあえてトップロープで登った僕は日和ったとしか言いようが無い。
あーあ、メンタル弱し。

ともあれ、晩秋にしては思ったより暖かいエリアで、のんびりとクライミングを楽しめた。
夜は同行した皆さんと大きなテントで鍋を囲む。
テントサイトからは函館の港が一望出来、夜空には満月。
最高のロケーションで、良きクライマー仲間達と楽しく過ごせた2日間だった。

2010年11月7日日曜日

奥立岩 2010.11.7

今日も奥立ボンバー。
RPトライのつもりだったけど、ちょっと気になる事が。
どうも、あらためて見ると前回僕が登ったラインより、もう少し右側を登った方が自然なライ
ンであるような気がして来た。(ローカルクライマーが登っていたら聞きたいところだったけ
ど、現地には誰も居らず。)
実際、少し右よりのラインを登ってみると、やはり、こちらのホールドやスタンスを使った方
がラインとしてしっくり来る。
これによってグレードが変わるという事も感じなかったので、こちらのラインでRPを試みる
事とした。
結果は核心は越え、これはもう行けたかなというところまで登れるも、ある一手を失念して
いたためにムーブを逡巡。
もちゃもちゃしているうちに消耗してフォールとなった。。
ただ、その部分のムーブもばっちり記憶したので、次回、RP出来そうな手ごたえはかなり
得られた。
次回こそはRPしたいところだ。

2010年10月31日日曜日

奥立岩 2010.10.31

奥立ボンバー 5.12c。
今回、初めて取り付いてみた。
取り付き付近にお地蔵さんがあり、1クリップ目をかける前にバランスを崩すと思わず足を
乗せてしまいそうになる、、
もちろん、そんな不遜な事は出来ないので、あわてて、お地蔵さんを避けながらのムーブ
探り。
最終的にはマントルを返す手前まで出来たけど、ハング越えムーブを探る辺りはちょっと
苦戦。







=ムーブを知りたくない方は以下をスクロールしてください。ここから。 =
















さすがは12c。
短いながらもなかなか登らせない内容で、あれこれムーブを探る。
ハング手前。
ハングへの手がかりホールドを取る際、僕はちょっと、おもしろいムーブで解決した。
離陸後、少ししたところに穴がある。
この穴にヒール&トゥをして足ブラを防ぐムーブだ。
しかも、両足ヒール&トゥ。
こんな、ムーブを繰り出すルートは初めてだし、あまり無いだろう。(笑)
カチッと決まればとても安定する。
クリップムーブでもあるので、とても安心だ。
そしてハング越え。
ここがちょっとムーブ探りに苦戦した。
足ブラで解決するには左ホールドがちょっと悪い。
右ホールドはガバだけど、左ホールドが悪過ぎて、足ブラキャンパという力技は僕の能力
ではちょっとさせてもらえない感じだ。
なので、ここでハング越えの際の定石、トゥフックを探す。
ハングにぶら下がり、つま先でハング下をまさぐるも、なかなか良い引っかかり見つから
ない。
何度か繰り返しているうちにビレイヤーの客観的視点で指摘してくれた場所につま先が
引っかかる事を発見。
「フフフ、弱点を見つけたぞ。」と思いトゥフックをかますと案の定、体制が安定。
ただ、このトゥフック、とても痛い、、
今度、トライする際はシューズに補強を加え、対奥立ボンバー仕様のカスタマイズシュー
ズかな。(笑)
後はハング上にあるガバに「おりゃっ!」とデッド。
無事、ハング越えムーブを解決出来た。
ただ、ここまで至るムーブ。
トゥフックのスタンスがよく見えず、。「あれあれ?」とスタンスを探ってもちゃもちゃしている
うちにかなり指を消耗してしまう。
この辺りのムーブ展開がスムーズにいくかどうかが早々にRP出来るかどうかの鍵かな。
ビレイやーに「そこそこ!違う!もっと左!いや、もっと奥!」なんて教えてもらえば早いの
だろうけど、それはやはり無しだろう。(笑)
ハング上ガバが取れれば、一応、核心は終わりだろうか。

















=ムーブを知りたくない方はスクロールしてください。ここまで。=








後はマントル返し。
ただ、マントル返し付近には大量の土が堆積していて、結局、少し掃除しないと倒木など
が邪魔でマントル返しどころではない。
後日掃除して、RPトライとする事にした。

2010年10月23日土曜日

八剣山 西尾根岩稜

札幌市民の憩いの山、八剣山。
通常の登山道を登れば往復1時間、標高500mにわずかに満たない小さな山だ。
そんな牧歌的な印象の八剣山なのだけど、通常の登山道とは反対側の西尾根には冒険
的なナイフリッジがある。
とても険峻で、左右どちらにバランスを崩しても10~20数m下までは墜落しそうな岩稜だ。
今回はその岩稜の踏破を目指したのだけど、結論から言うと、取り付きから数m登って敗
退。
岩のあまりの脆さに「こりゃ岩取れて死ぬ!」と判断。

詳細は物議を醸しそうなので割愛させてもらうけど、そろそろ、無謀と冒険的クライミング(
や登山)が紙一重になって来てるんじゃないかと感じる日だった。
つまり、山岳会などでの体系的な学習と訓練。
怪我や遭難といった際の組織的なバックアップ体制への依存。
などなどが必要なクライミングや登山を僕はしようとしているんだろうな感じた次第だった。


*今日の肝
 ・クライムダウンは見た目よりもずっと難しい・・・。

2010年10月9日土曜日

風不死岳 楓沢

楓沢。
風不死岳に突き上げる沢で渓相がとても個性的だ。
「苔の回廊」と表現すれば様子が伝わるだろうか。
いわゆるゴルジュ地形なのだけど、その壁面には鮮やかな緑の苔がびっしりと生える。
そのなだらかな緑の曲面の壁は女性的な印象だ。

途中落差のある滝地形などがいくつか有り、遡上する事が困難なせいか、その記録のほ
とんどが風不死岳の他の沢から登った後や樽前ヒュッテからトラバースして楓沢を下降す
るケースが多い。
今回は樽前ヒュッテよりトラバース後、途中2箇所ほど懸垂下降を行っての楓沢遡行なら
ぬ、楓沢下降となった。

ちなみに楓沢は涸れ沢。
沢底は砂や落ち葉などの堆積物で埋められとても歩きやすい。
堆積している砂は元は苔の回廊を形成する壁だったのかな。
神秘的な楓沢の空間はそんな長い時間の経過に思わず想いを馳せてしまう。

なんだか、こういう形で山の中に居る事が久しぶりに感じた山行だった。
以前、本格的に山登りやクライミングを始める前は大体、どこそこの山の山頂を目指すと
いう風ではなく、おもしろそうな地形(外界から隔絶された海岸。廃坑。小樽赤岩のいわゆ
る「窓岩」。マイナーな鍾乳洞等々。)
があったらそこを目指したり、どこそこにはとてもきれいな景色(沢登りのきっかけにもなっ
た。)があるらしいとネットで目星を付けては向かったりしていた。

今回の楓沢。
次々と現れる息を飲むような景色に驚嘆の連続だった。
それは以前した探検を思い起こさせてくれるような沢行、いや、「探検だった。」(笑)

風不死岳 楓沢

2010年10月3日日曜日

小樽赤岩 2010.10.3

アースクエイク 5.12c。
以前に一応、トップアウトはしていたので、今回は可能ならRPを狙いたいと思っていたけ
ど、いざ、本腰を入れて取り付いてみるとそのルートの難しさを再認識した、、
マスターでのRPは僕にとっては難しいので、まずはヌンチャクかけ。
ところがムーブはうろ覚えで、再び、思い出すために試行錯誤している内ににけっこう消
耗。
一応、すべてのムーブは解決したので、後はRPを目指してトライするだけなのだけど、当
日は早めに切り上げなければならないのと、指や体の消耗具合を考えるとどう考えてもR
P出来そうな公算はなかったので、余力があるうちに再びトップアウトして、ヌンチャクを回
収する事にした。
このルート、なかなか手強く、またしばらく間隔を開けるとムーブを忘れてしまっているだろ
うな。
でも、平均して全体に厳しい感じが登れれば良い達成感を得られそうだ。
今度、機会を作って、集中してトライしたい。

2010年9月25日土曜日

旭岳

紅葉を見に向かった旭岳。
しかし、現地へ近づき旭岳の姿が見えて来た時、同行者一同愕然。。
なんと、そこには雪化粧され白くなりつつある旭岳の姿が。
紅葉どころか、秋の尾根歩きの装備では登れないのではないかという状況が想定される
お山となってしまっていた。

ともかく、七合目まで行ってみようという事になり、ロープウェイに乗る。
姿見駅に着き、様子を見ていると山頂へ向かう登山者がけっこうおり、集団心理というか、
では、我々もと変に心強くなり、ともかく山頂を目指した。

山頂へは吹きさらしの尾根道を進む。
風が無ければさほど寒くもなく、逆に強風にさらされるとフードを被り、腕組みしながら寒さ
に耐えるという状況で、パーティ皆、脱いだり着たり、レイヤリングが忙しい登りだった。

山頂に着くと途中の尾根よりもむしろ寒さは緩み、しばし、下界の景色を眺めたり、登頂記
念写真を撮ったりとうだうだする。

当初、その後、予定していたコースは旭岳山頂から御鉢平へ向かい、中岳温泉経由で姿
見駅に戻るというものだったのだけど、ただ、すでに冬山となってしまった旭岳周辺。
山頂からピストンで下山しようか御鉢平へ向かおうか迷ったけど、これまた、山頂から御鉢
平へ向かう登山者がわらわらといたので、ここでも根拠の無い心強さを得て、我々も御鉢平
へ向かった。

雪景色の高根が原や御鉢平。
ずいぶん前に来た時には紅葉がきれいだった熊ヶ岳も今日はところどころ疎らに岩が見え
る雪山だ。
そんな景色の山を歩いていたせいか、道中、妙な寂寥感にかられた。
緊張感のある沢なんかを登っていると気が張っていてあまり感じない心境だけど、平坦な縦
走路を歩いていて気がゆるゆるしているせいか、あるいは茫漠とした、大雪山のスケールの
大きな景色のせいか、そんな中をとぼとぼと歩いていると、しばしとらわれた心持ちだった。

その後、中岳温泉。(野湯)
同行者達は足湯を堪能。
僕は靴を脱ぐのが面倒なので見るだけ。(笑)

なんだかんだと結果としては晩秋というか初冬というか、ともかく素敵な旭岳を楽しめた一
日だった。

初冬の御鉢平

2010年9月11日土曜日

黒岳白水川

久しぶりの大雪山系。
森林限界を超えた辺りから広がる高山植物群の景色は開放感があって、とても気持ちが
良い。
渓相も初めは沢の脇の廃道のようなところを迂回しながらの煩わしい遡行だったけど、標
高が上がるに連れ、様子は一変する。
標高1370m付近には落差25mの大滝。
水流が叩きつけられる滝壺。
飛び散る水の飛沫が随分冷たく感じた。
この滝は右岸から巻いたのだけど、この部分がちょっと緊張。
難しいところの無い沢だけど、強いて言えばこの部分が核心かな。

その後は沢そのものの中間部分を越えつつもなお、大きな川幅と転がる巨岩。
その大雪山のスケールに相応しい渓相だった。

源頭付近。
これまでの急登を終えると傾斜は顕著になだらかになり、途端におだやかな印象になる。
強く踏みつけるとポコポコという地面は岩の上に苔と土が乗った体積層か。
とてもふかふかで、思わず寝転がる。
ここまで来るともう、沢は登りきったという雰囲気になり、あとは大雪山のスケールの大き
なカールを望みながらお鉢を巡る登山道を目指すだけだ。

下山は黒岳登山道とロープウェイ。
長い登山道の下りが無い事はありがたかった。(笑)

ところで、今回、この白水川を遡行していて、折々に目が行った存在がある。
白水川の横を流れる黒岳沢だ。
なにせこの黒岳沢、地形図で見ると今回、僕らが登った白水川に対して、等高線がとても
混んでいる上に多数の崖記号があり、とても険悪な印象なのだ。
帰りがけ、同行した仲間と地形図を眺めながら、「ここ、登れるんだろうかね。難し過ぎて遡
行対象になってないのかな。」などと話していたが帰宅後、「北海道の山と谷」を見るとなん
と遡行対象になっている。
「!!!」だ。
やはり、登られているんだなと驚きながらも、その存在が気になる山行となった。


 黒岳登山道にて。

2010年9月5日日曜日

小樽赤岩 2010.9.5

天安門広場 5.12b/c
一応、オンサイトトライだったけど、トップアウトも出来なかった…。
ミスターオタル 5.13a
これもなかなかのボルダームーブが現れ、トップアウト出来ず。
何度かムーブを繰り返せば出来そうだったけど、ヨレて来たので終了。







=ムーブを知りたくない方は以下をスクロールしてください。ここから。 =















・天安門広場 5.12b/c
 乗っ越しに使うキーホールドのカチが悪く保持出来なかった。
 ルーフ下のスタンスがうまく拾えない事もあり、乗っ越せなかった。
 若干のヌメリもあり、と思いたい・・・、なので、また今度トライしてがんばろう。
・ミスターオタル 5.13a
 左手で引き付けて遠いポケット取り。
 ジムの課題でよくあるムーブだけど、岩のルートではこういうのは初めてでびっくり。
 とても悪く感じたけど、女子魔人級クライマーMちゃんがH先生と来ていて、このルートに
 取り付いていた。
 しかもポケットを取っていた。。
 さすがジングルベル13cを登った(と噂で聞いた。)実力だ。。















=ムーブを知りたくない方はスクロールしてください。ここまで。=







とかげの洞窟エリア。
今回、初めて登りに来てみた。
天安門広場といい、ミスターオタルといい、とてもおもしろい課題だ。
ちなみに赤岩で触ってみた12台のルートはどれもRPしてないな。
どれも触ってみて、「悪っ!?」という印象を持って、次回はまた別ルートを触っている。
今度はどれかのRPを目指そう。

2010年9月2日木曜日

事故事例報告

ジムでの出来事。
初めてじゃないだろうか。
クライミングを中断するほどの怪我は。

入念にアップを済ませ、いつものキャンパ最大値向上メニューをこなし、いよいよ、自己最
高難度のムーブにトライ。
通算数日かけて少しづつ止まるか止まらないかのムーブ。

悪いホールドで引き付け、全ての筋肉の動きをシンクロさせる。
その中にデッドも含まれたのだけど、そのデッドの際、事故は起きた。

引き付け後、すばやくデッド!
「ゴキっ!!!」
「はうっ!??」
狙ったホールドの手前のホールドに親指付け根を激しく強打、、、!

これはやったかな(折れたかな。)と思った。
それくらいのなんの躊躇もなく、ロケットパンチばりに思い切りデッドをしたからだ。

指は動くかな。
痛みはあまり無い。
そんな時は逆に怖い。。
もぞもぞと動かしてみる。
動く・・・。
ホールドを保持してみる。
保持、出来る・・・。

どうやら、大丈夫なようだ。
その後、しばらくクライミングを続けていたのだけど、なんだかだんだん痛くなって来る。
う~む、大事をとって止めよかな。
バケツに氷を入れ、アイシングして、クライミング終了。

本気トライ2回目、所要時間5分で終了だった。。。


後日経過報告。
痛みも腫れも引き、だいぶ力も入るように。
ピンチ持ちが最も痛い。
好事魔多し・・・。
折れてなくて良かった・・・。

2010年8月28日土曜日

オロエン川

とてもきれいなのに意外と知られていない沢があった。
初心者向けだけど、と言って、直登すれば楽しい滝や緊張感のあるヘツリもある。
(実際、同行した沢女子Mちゃんは足下2Mを落ちた。。幸い無事。きっと途中、急な傾斜
に尻を打ちながらなのと、落ちた所も傾斜がある水の中だったのが幸いしたのだろう。なん
の怪我もなかったけど、視覚的にはドン引きした。。(笑))
渓相は全体に苔むした感じで、大きめの岩が転がる。
時折現れる、滝やゴルジュも目を飽きさせない。

今回も楽しい滝があった。
高さ6Mくらいで取り付き付近は深い釜になっている。
最上部から落ちても怪我はないだろう。
最初は釜の中を泳いで取り付こうとしたけど、流れに押し戻されて滝の基部に辿り付けな
い。
仕方がないので、釜の左岸を回り、取り付きへ。
滝を登り出すとすぐに流れの中を滝中央の岩が露出した部分までトラバース。
このトラバースがなかなかきつかった、、
水流の中、ホールドやスタンスを探しながらトラバースする訳だけど、この水流がまた、耳
の穴に入ったり冷たかったりで、とても往生した。。
滝中央部までトラバースを完了してからは後は慎重に登れば何の問題も無し。
もう少し高い滝になれば、基部が深い釜とは言え、怖そうだ。

そして、今回は同行した沢女子Rさんも同じ滝の直登に挑戦。
Rさんが登ったラインは僕のそれより易しめとは言え、そこはなかなか高さのある滝。
その高度感をメンタル面で処理出来る事も彼女の沢屋としての資質なのだろう。
と言って、Rさん、恐怖に対しての感覚が鈍い訳でも無い。
なぜなら、当初、僕が提案したオロエン川以外の沢は「自分にとっては技術的に難しい。
他の沢が良い。」というやりとりがあり、ちゃんと自分の意思で情報を精査して、且つ、そ
れが自分にとって能力相応の沢なのかという事を考えて行動計画を立てているからだ。

実は僕も山は怖い。
7割くらいは怖いで、後の3割が楽しいだ。
気象条件、外的要因による怪我や体調悪化、野生動物の襲撃等々、身の危険を挙げれ
ば枚挙に暇が無い
それでも、なぜ、山へ行くのかは正直、説明出来ない。
明確な理由は無い。
一度、痛い目に遭えば止めてしまうのかも知れないし、また行くのかも知れない。
そこは多くの岳人さん達も同じだろうけど、ただ一つ言えるのは山には街に無い感覚があ
るというか、怖さと憧憬が入り混じった感じ。
いや、言葉で説明出来ないのは山に登っている人ならお分かり頂けると思う。
危険が伴っても登りたくなる。
まあ、そういう事です。
オロエン川 Rさん

2010年8月23日月曜日

またね。ボンタ。

愛犬ボンタが死んだ。

「ボンタ、ありがとう。またね。」
死にかけているボンタの額に僕の額をつけて、つぶやいた言葉だ。

なぜか「またね。」という言葉が浮かんだ。
永遠の別れなんて受け入れがたかったんだと思う。。
しばしのお別れ、あの世でまた会えると信じたいと。

ボンタが生死の境を彷徨っている数日、僕は虫が殺せなくなった。
別に普段からむやみやたらと虫を殺している訳ではないけど、仕事柄、虫がウロウロして
いると止む終えず排除しなければならない時があり、よほど配慮しないとその過程でどう
しても虫を殺してしまう事がある。
それがボンタの体調が悪くなり出すと虫の命を奪う事にとても抵抗を感じるようになった。

そんな折、クライマー山野井さんの著書に共感を感じた一節があった。
山野井さんのお母さんは山野井さんが山に入っている間、畑の害虫なども殺さないという。
その命がどんなものであれ、生命を奪う事に抵抗を感じるらしい。
著者、山野井さんも自分が命がけのクライミングをしているから、母も命というものに敏感
になっているのではないだろうかと述懐していた。

それに通ずるものか分からないけど、僕も自分の大切な存在の命が今まさに消えようとし
ている時に虫のそれがどんなものであれ、その命の火を絶ってしまう事に抵抗を感じたの
かも知れない。

14年間生きたボンタ。
食いしん坊のボンタ。
雨が嫌いなボンタ。
家族にもたくさんの幸せをくれたボンタ。
ありがとうボンタ。またね。

ボンタは雨が嫌い。






2010年8月15日日曜日

小樽赤岩 2010.8.15

当初、札幌の星置川へ沢登りへ行こうと思っていたのだけど、アプローチが予想より長く
なりそうな事態発生。
(アプローチは私有地(推定)を通るのだけど、その沢へのアプローチ林道入り口が軽の
ワンボックスを横付けして封鎖されていた。。不法投棄を警戒しての事かも知れないけど、
おそらくは私有地だろうから仕方が無い。。)
沢メンバー一同でどうしようかと相談した結果、長いアプローチを歩くより、こんな事もあろ
うかと用意していたバックアッププラン、クライミングの方が良いのではないかという事に。
うんうん、そうしようという事で急遽、小樽の赤岩へ向かう事にした。

小樽赤岩。
以前取り付き、宿題として残った沼崎新道12cもあったけど、上部クラックはナチュプロで
支点を取りたかったので登らず、(ナチュプロは無かったので。)隣のアースクエイク12cに
取り付くことに。
なかなか悪く感じたがトップアウトしてみると12cか。
取り付いてしばらくはムーブが分からず、「これは懸垂回収か!?」と焦って来たが2便目
ではなんとかトップアウト。
ほぼ垂壁に近く、ホールドは悪いが時折おまけがある感じ。(笑)
マスターでのヌンチャク架けはなかなか怖かったがムーブを搾り出しながら登る感じは楽し
く、気持ち良かった。

そして今日は岩デビューのふみさんが居た。
インドアでは登っているけど、岩は初めてとの事。
インドアで登れるグレードと同じグレードのルートにはじき返されて、岩の洗礼を受けていた
。(笑)
岩が初めてのふみさん、楽しんでもらえただろうか。
僕はクライミングや岩が初心者の人と登る時には心がけている事がある。
それは僕の師匠の教えを正しく伝え継ぐ事だ。
ただ、それを他人に強要したりするつもりは無いし、僕の考えと合わない人とは行動を共に
したくないなどという事もない。
同行者が希望すれば、ある程度、融通は利かせているつもりだ。
人それぞれで良いと思う。
ただ、僕は僕の師の教えを全力で見せる。
それを見た人が何かを感じてくれる登りをしたい。
それだけだ。

2010年8月7日土曜日

漁川本流

今回の山行、ふとしたきっかけでネット上で拝見したコミュニティの山行に急遽、加えても
らう事になった。
お初の方たちばかりのパーティの空気は新鮮で、わいわいやりながら遡行する皆さん、と
ても楽しそうだった。
人見知りに加え、社会不適合者の僕は例によって寡黙な時もあり、また無愛想な印象を
与えて無いか不安になるがそんな僕にとってもともかく楽しい山行だった。

漁川、一般的には初心者向けの沢として知られているが直登すれば「むむむっ!?」と楽
しめる滝もいくつかあった。
一箇所は滝の落ち口から釜までドンと寄りかかる巨大な木、まるごと一本の流木。
ぬるぬる滑る登りだしをカチパワー全開で引き付け取り付くがその後の高さにヘタレて、ク
ライムダウン。。

もうひとつは標高800M辺りの滝。(数字うろ覚えです。)
一見、苔の多い岩肌に見えたが水流を浴びながら流れの中に手を入れてみると思ったよ
りかかりの良いホールドが。
慎重にスタンスを確保して、だましだまし落ち口へ抜ける。
抜けてみると確保無しで登れるぎりぎりだったなという感じだった。

そして、今回特筆すべきは昼食の内容だ。
全員で何かしら持ち寄るというものなのだけど、出て来たメニューはメロン、ひやむぎ、ザ
ンギ、スイーツにプリン、僕は漬物というもの。
いつもは菓子パンをかじる程度なので、とても贅沢な気分になった。(笑)
ひやむぎはコンロで熱々にすると沢で冷えた体にとてもおいしかった。

漁川本流流木登り