2010年8月28日土曜日

オロエン川

とてもきれいなのに意外と知られていない沢があった。
初心者向けだけど、と言って、直登すれば楽しい滝や緊張感のあるヘツリもある。
(実際、同行した沢女子Mちゃんは足下2Mを落ちた。。幸い無事。きっと途中、急な傾斜
に尻を打ちながらなのと、落ちた所も傾斜がある水の中だったのが幸いしたのだろう。なん
の怪我もなかったけど、視覚的にはドン引きした。。(笑))
渓相は全体に苔むした感じで、大きめの岩が転がる。
時折現れる、滝やゴルジュも目を飽きさせない。

今回も楽しい滝があった。
高さ6Mくらいで取り付き付近は深い釜になっている。
最上部から落ちても怪我はないだろう。
最初は釜の中を泳いで取り付こうとしたけど、流れに押し戻されて滝の基部に辿り付けな
い。
仕方がないので、釜の左岸を回り、取り付きへ。
滝を登り出すとすぐに流れの中を滝中央の岩が露出した部分までトラバース。
このトラバースがなかなかきつかった、、
水流の中、ホールドやスタンスを探しながらトラバースする訳だけど、この水流がまた、耳
の穴に入ったり冷たかったりで、とても往生した。。
滝中央部までトラバースを完了してからは後は慎重に登れば何の問題も無し。
もう少し高い滝になれば、基部が深い釜とは言え、怖そうだ。

そして、今回は同行した沢女子Rさんも同じ滝の直登に挑戦。
Rさんが登ったラインは僕のそれより易しめとは言え、そこはなかなか高さのある滝。
その高度感をメンタル面で処理出来る事も彼女の沢屋としての資質なのだろう。
と言って、Rさん、恐怖に対しての感覚が鈍い訳でも無い。
なぜなら、当初、僕が提案したオロエン川以外の沢は「自分にとっては技術的に難しい。
他の沢が良い。」というやりとりがあり、ちゃんと自分の意思で情報を精査して、且つ、そ
れが自分にとって能力相応の沢なのかという事を考えて行動計画を立てているからだ。

実は僕も山は怖い。
7割くらいは怖いで、後の3割が楽しいだ。
気象条件、外的要因による怪我や体調悪化、野生動物の襲撃等々、身の危険を挙げれ
ば枚挙に暇が無い
それでも、なぜ、山へ行くのかは正直、説明出来ない。
明確な理由は無い。
一度、痛い目に遭えば止めてしまうのかも知れないし、また行くのかも知れない。
そこは多くの岳人さん達も同じだろうけど、ただ一つ言えるのは山には街に無い感覚があ
るというか、怖さと憧憬が入り混じった感じ。
いや、言葉で説明出来ないのは山に登っている人ならお分かり頂けると思う。
危険が伴っても登りたくなる。
まあ、そういう事です。
オロエン川 Rさん

2010年8月23日月曜日

またね。ボンタ。

愛犬ボンタが死んだ。

「ボンタ、ありがとう。またね。」
死にかけているボンタの額に僕の額をつけて、つぶやいた言葉だ。

なぜか「またね。」という言葉が浮かんだ。
永遠の別れなんて受け入れがたかったんだと思う。。
しばしのお別れ、あの世でまた会えると信じたいと。

ボンタが生死の境を彷徨っている数日、僕は虫が殺せなくなった。
別に普段からむやみやたらと虫を殺している訳ではないけど、仕事柄、虫がウロウロして
いると止む終えず排除しなければならない時があり、よほど配慮しないとその過程でどう
しても虫を殺してしまう事がある。
それがボンタの体調が悪くなり出すと虫の命を奪う事にとても抵抗を感じるようになった。

そんな折、クライマー山野井さんの著書に共感を感じた一節があった。
山野井さんのお母さんは山野井さんが山に入っている間、畑の害虫なども殺さないという。
その命がどんなものであれ、生命を奪う事に抵抗を感じるらしい。
著者、山野井さんも自分が命がけのクライミングをしているから、母も命というものに敏感
になっているのではないだろうかと述懐していた。

それに通ずるものか分からないけど、僕も自分の大切な存在の命が今まさに消えようとし
ている時に虫のそれがどんなものであれ、その命の火を絶ってしまう事に抵抗を感じたの
かも知れない。

14年間生きたボンタ。
食いしん坊のボンタ。
雨が嫌いなボンタ。
家族にもたくさんの幸せをくれたボンタ。
ありがとうボンタ。またね。

ボンタは雨が嫌い。






2010年8月15日日曜日

小樽赤岩 2010.8.15

当初、札幌の星置川へ沢登りへ行こうと思っていたのだけど、アプローチが予想より長く
なりそうな事態発生。
(アプローチは私有地(推定)を通るのだけど、その沢へのアプローチ林道入り口が軽の
ワンボックスを横付けして封鎖されていた。。不法投棄を警戒しての事かも知れないけど、
おそらくは私有地だろうから仕方が無い。。)
沢メンバー一同でどうしようかと相談した結果、長いアプローチを歩くより、こんな事もあろ
うかと用意していたバックアッププラン、クライミングの方が良いのではないかという事に。
うんうん、そうしようという事で急遽、小樽の赤岩へ向かう事にした。

小樽赤岩。
以前取り付き、宿題として残った沼崎新道12cもあったけど、上部クラックはナチュプロで
支点を取りたかったので登らず、(ナチュプロは無かったので。)隣のアースクエイク12cに
取り付くことに。
なかなか悪く感じたがトップアウトしてみると12cか。
取り付いてしばらくはムーブが分からず、「これは懸垂回収か!?」と焦って来たが2便目
ではなんとかトップアウト。
ほぼ垂壁に近く、ホールドは悪いが時折おまけがある感じ。(笑)
マスターでのヌンチャク架けはなかなか怖かったがムーブを搾り出しながら登る感じは楽し
く、気持ち良かった。

そして今日は岩デビューのふみさんが居た。
インドアでは登っているけど、岩は初めてとの事。
インドアで登れるグレードと同じグレードのルートにはじき返されて、岩の洗礼を受けていた
。(笑)
岩が初めてのふみさん、楽しんでもらえただろうか。
僕はクライミングや岩が初心者の人と登る時には心がけている事がある。
それは僕の師匠の教えを正しく伝え継ぐ事だ。
ただ、それを他人に強要したりするつもりは無いし、僕の考えと合わない人とは行動を共に
したくないなどという事もない。
同行者が希望すれば、ある程度、融通は利かせているつもりだ。
人それぞれで良いと思う。
ただ、僕は僕の師の教えを全力で見せる。
それを見た人が何かを感じてくれる登りをしたい。
それだけだ。

2010年8月7日土曜日

漁川本流

今回の山行、ふとしたきっかけでネット上で拝見したコミュニティの山行に急遽、加えても
らう事になった。
お初の方たちばかりのパーティの空気は新鮮で、わいわいやりながら遡行する皆さん、と
ても楽しそうだった。
人見知りに加え、社会不適合者の僕は例によって寡黙な時もあり、また無愛想な印象を
与えて無いか不安になるがそんな僕にとってもともかく楽しい山行だった。

漁川、一般的には初心者向けの沢として知られているが直登すれば「むむむっ!?」と楽
しめる滝もいくつかあった。
一箇所は滝の落ち口から釜までドンと寄りかかる巨大な木、まるごと一本の流木。
ぬるぬる滑る登りだしをカチパワー全開で引き付け取り付くがその後の高さにヘタレて、ク
ライムダウン。。

もうひとつは標高800M辺りの滝。(数字うろ覚えです。)
一見、苔の多い岩肌に見えたが水流を浴びながら流れの中に手を入れてみると思ったよ
りかかりの良いホールドが。
慎重にスタンスを確保して、だましだまし落ち口へ抜ける。
抜けてみると確保無しで登れるぎりぎりだったなという感じだった。

そして、今回特筆すべきは昼食の内容だ。
全員で何かしら持ち寄るというものなのだけど、出て来たメニューはメロン、ひやむぎ、ザ
ンギ、スイーツにプリン、僕は漬物というもの。
いつもは菓子パンをかじる程度なので、とても贅沢な気分になった。(笑)
ひやむぎはコンロで熱々にすると沢で冷えた体にとてもおいしかった。

漁川本流流木登り