2012年8月6日月曜日

小樽赤岩44フェイス 折込センター5.10d

折込センター、ムーブのほとんどはフェイスのそれなのだけど、取ろうと思えば全てカムや
ナッツでプロテクションが取れ、ボルトと併用すれば初心者がナチュプロに慣れるには良い
練習になるルートだと思い、今回RPを目指した。
ボルトルートのグレードとしては決して高難度ではないのだけど、初めてナチュプロのみで
登れたルートという意味では僕にとってとても達成感のあるクライミングだったので、今回
特筆した。

最初のトライ。
これまでもⅣ級やⅤ級ほどのアルパインのルートをナチュプロで登っていたので、いきなり
オンサイトは無理としても早々にナチュプロによるRPは出来るかなとかなり甘い考えを持
って取り付くもナチュプロでこなすには思った以上のムーブの悪さに出鼻を挫かれる。
これはまずボルトルートとして登って、ムーブを理解してからでなくてはとても突っ込めない
と思い直す。

まずはボルトルートとしてはマスターでRP。
前回、一度トップアウトはしていたので、ムーブも理解し思ったより楽に登れた。
ムーブそのものは単純にグレード通りなんだなと納得。

折込センター、ピンクポイント。
とりあえずナチュプロをセットしつつ、ボルトをプロテクションとして登る。
要所要所でテンションを入れ、ナチュプロをセット。
ナチュプロは自分なりにしっかり効かせたつもりなので、一度ロワーダウンしてもらい、そ
の後ナチュプロのみで登る。
ノーテンで終了点。
ピンクポイント。
途中、落ちる気はあまりせず比較的安心して登れたけど、終了点直下のマントルを返すと
ころは少しランナウトするので、さすがに緊張感があった。

折込センター5.10d、RP。
フリーとして登ったクラックルートでは初のRP。
さすがになかなか感慨深いものがある。
様子見として危険を感じたらテンションを入れるつもりで、とりあえず一本目からオールナ
チュプロによるトライとして登り始める。
多少もたつきながらも、プロテクションのセットと修正を繰り返しながら高度を上げる。
核心を無事越え、かなりレスト出来るガバでこの先プロテクションをセットしつつムーブをこ
なす余力があるかどうかを慎重に判断。
この後、少しランナウトしてマントルを返す部分があり、そこは怖いところだ。
マントルを返せば後は終了点にクリップするのみで落ちる心配はもうほぼ無い。
行けると判断し登り出す。
さらに登り、最後のプロテクションをセット。
登り続けて力尽きればフォールしなければならないし、日和ってテイクするなら最後の機
会だ。。
このまま登り続けるか、テイクしてしまうか。
プロテクションの効きに確信はあり、腕の消耗も限界に達しつつあるというほどではない。
もう登らない理由は無く、後はメンタルの問題だ。
今止めてもまた同じ逡巡を繰り返さなければならないだけだと自分を納得させ、登り続け
る事に決める。
マントルに手をかける。
登りだしてしまった以上、もう後は冷静にスタンスを拾い、何度か登っているマントルを返
すだけだ。
無事マントルに立ちこむ。
顔は自然とにやけ、久々に何かを成し遂げた達成感が湧き上がった来た。
折込センター、RP。


今回のクライミングでは久しぶり自分的に困難なクライミングを成し遂げた後の達成感を
味わった。
ボルトを併用してムーブを固めてからのトライなど、RPへのかなり邪道なアプローチかも
知れないけど、独学ゆえの危険回避の手段として大目に見ていただければ幸いかと。。
いずれはもちろん、初見のルートにオンサイトトライ出来るよう精進したいところだ。